2012年2月のお便り  HOMEに戻る

2/26 佐賀の太田さんから「ご無沙汰しています。時代が動いてます」

やまちゃんご無沙汰しています。いつも観覧するだけですみません、
体は元には戻りませんが、だいぶ回復いたしまして1日2時間位の軽い作業が出来るようになりました。
息子や研修生の頑張りで農業が出来ています。
また喜ばしいことに、研修生が独立します。同じ県内の高齢者農家が後継者が居ないので研修生が
譲り受けることになりました。まるで夢のような話です、4町近い農地を他人にあげると言うことは、以前は考えられないことです
、農機具など全てをあげるとのこと、これが時代でしょうか。山間地は後継者が居ないからこうなるのでしょう。
しかしあと10年以内に全国の農業者が後継者がいないやら、
年配者ばかり集まりの集落営農が破壊して、農地など家ごと農業をやりたい
人に譲渡の形になるのでしょう。もらってもらえればありがたいの形です。
これから農業をやりたい人は思い切りできます。バブルの時代を知らない若者は貧困でも、好きなことだったらやりとおします。
有機農業が大好きな子はたくさんいますから、あと10年位の有機先進農家の方、他人に差し上げる準備をしましょう。
最近雨ばかりでお手上げの状態です、昨年2月の天気が良すぎてたので、
今年は恨めしく感じます。写真の基盤整備はストップしています。
排水と田んぼの畔の高さなど条件を整えれば、無肥料無農薬で安定して10俵前後可能と確信しましたので、
3年計画で全圃場基盤整備開始です。
周りをコンクリトで固めるのは景観に実に良くありませんが、
夏の暑い盛りに草刈りがいやで除草剤をまくよりましです。山間地は一枚15アール
位の田んぼにしかできませんので、枚数も40枚近くになります。
草刈りと畔つくりをクリーヤすれば快適になると思います。問題は農機具の運転は慎重にしないと修理代が大変なことになります。
雨ばかりで仕事が出来ないので、除草機の改良と苗運搬機を作らせて見ました。
イノシシの落としかごも天気が悪いと何個でも出来ます。
佐賀/太田


 



2/21 島根の堀野さんから「モノづくりから価値堀野さんかづくりへ:その2」
公的補助金には2系列あります。この2つは、水と油、砂糖と塩、あめとムチ・・・、
といってよいほどの大差があります。

<1.支出に対する補助金>
会計帳簿の支出欄に対する補助金で、日本でおなじみの機械や施設等の購入に対する補助金です。
支出に対する補助金ですから、継続して多く受け取るためには、
なにがなんでも支出を増やすほかありません。だから行くさきコスト倒れになりやすいのでしょうか。

<2.収入に対する補助金>
会計帳簿の収入欄に対する補助金です。近年導入された戸別所得補償金は「直接払いの補助金」
などと呼ぶのでわかりにくいのですが、収入に対する補助金なのです。
稲の収穫面積に比例して交付され、収入の多い生産者ほど多く受け取れるからです。
ネットで検索するとアメリカの農業補助金の多くはこの系列のようです。
受け取った補助金を遊興費に使おうが、経営の効率化に使おうが農業者の自由なのでしょうが、
結果として優良な経営者だけが生き残るという「空恐ろしい補助金」のようです。

日本では、農業でも工業でも電力産業でも支出に対する補助金が主流だったようです。

おかげでモノづくりのため、
大規模農業設備、各種製造工場、火力・原子力発電所等への設備投資が進みました。
それは時代の要請でもあったと思います。しかし技術革新が一段落すると、
こんどは巨大化した生産設備そのものの不合理が目立つようになってきたようなのです。

例えば自動車生産工場では、高価で高精度の専用加工マシンを直列に数十台並べ、
流れ作業でエンジンを作るそうです。しかしマシン1台にトラブルが発生すると
回復まで工場全体を停止せざるをえず、数十台も並んでいれば結構な頻度で起こるので、
損害も少なからぬ金額に達するそうです。

こうした問題を解決する試みの一つに、
少数の汎用マシンから成る小ぶりな生産ラインをいくつか並列配置し、
1つのラインが停止しても他のラインの残業で生産目標をこなす・・・、というのがあるそうです。
ライン相互間のバックアップ機能の付与強化といえます。
パソコントラブルに備えて、ファイルのバックアップをとったり、予備機を備えたりするようなものでしょうか。

それなりの技術革新は必要らしいですが、
これでけっこう製造コストの削減と安定生産に貢献するのだそうです。つまりモノでなく、
「製造ライン+バックアップ機能を備えた工場全体」の価値が上がる・・・、
すなわち、モノづくりから価値づくりへ、とはこういうことなのだそうです。

地域の水田を一手に引き受けていた大規模農家の働き手が救急病院に担ぎ込まれ、
一帯の稲作が停止する。しかし近隣の大規模農家は手一杯で助けに回れない。
そんな時、バックアップに回れるのは地域内の中小兼業農家ということになります。

当地でもそういうケースを真ぢかに目にしました。
一大事にもかかわらず、何事もなかったように稲作は続けられたのです。

農村集落といえば、しきたり、かばいあい、仲間うち、付き合い、村八分など、
感傷的・感情的な単語で語られがちです。
しかし白黒映像に変換してみると、
結局、バックアップ機能を備えた並列農家の一群といえるかもしれません。
それが歴史の中で編み出された農村集落の価値なのではないでしょうか。
先日の中務さんのお便りを読んで、その感をいっそう強くした次第です。
 島根県飯南町 堀野俊郎

2/20 島根の堀野さんから「モノづくりから価値づくりへ」
「モノづくりから価値づくりへ」
 前回、日本の会計法では補助金由来の減価償却費は簿外へ飛ばすと書きました。
これは、昭和初期の戦時経済の中であわただしく採用された方法らしく、
目的・意義・メリット等は、昨今の専門家ではよくわからないのだそうです。
しかし今日現在、いささか不都合なところもないわけではないようです。

1.減価償却費が計上されないせいで、そのぶん総コストが下がったと誤認されやすい。
2.先行補助金による誤認低コストを理由に新たな補助金が申請・交付されがちとなる。
3.減価償却費不算入により課税対象額が増えるため、増税になると誤認されやすい。
 (注:本来当該補助金は、所得として繰り延べ計上し、数年に分けて課税さるべき性質のもの)。
4.この課税対象額の増を防ぐため、不要不急の機械・施設への投資を急ぎがちとなる。
5.結果、維持費・一般管理費の増加にあえぐ中で、不作・不況・災害・事故・傷病等を
  きっかけに経営不振に陥るケースが少なくない。

先日の中道さんのご指摘は、上記3の減価償却費の不算入によって、国民コスト
(納税を通じて国民が負担するコスト)を慮外に置くのはフェアでない・・・、ということかと思われます。

また赤木さんご指摘の、
「わが国の農家の足腰が弱いのはこのためだ。
補助金に甘えて自助努力をしようとしない。コストを下げる努力もしない。」
のくだりは、上記4などにあたると思われます。

 今日このような事態は、じつは農業だけでなく、
我が国の工業生産全体を通じて大きな問題になっているのだそうです。
そして、これを乗り越えようとする新たな努力を「モノづくりから価値づくりへ」、
というのだそうです。
私なりの理解をもう少し具体的に説明させていただくとすれば、農業においては、
まさに中務さんのおっしゃる「農村集落の貴重さ」につながる気がしています。
具体的内容は次回とさせていただきます。
 島根県飯南町 堀野俊郎

2/20 石川の東さんから「Re稲の放射能の移行についての考察」
笹村さん、大変貴重な情報ありがとうございます。
私が本年度からの稲作で心配していることは、有機肥料のことです。
農水省は肥料のセシュウム1kg当たり400ベクレル以下流通を言っておりますが
米ぬか抑草などの有機物の表面施用の場合や有機肥料の穂肥など、稲の上根から養分
吸収させる栽培法はセシュウムの稲体への移行が多くなると言う事になります。
またボカシ肥料なども比重の関係から、散布後用水を入れて、耕起や代かきを
すれば大半が表層のトロトロ層に集まると思います。

福島第1原発事故は汚染水がダダ漏れ状態ですから、その他核種、得に人体に
悪影響が大きいと言われているストロンチウムなどが海の中でどのようになっている
のかまともに調べられていない状態ですから、魚粉などの使用も頭の痛い問題となります
輸入は安心と一時は思っていたのですが、日本近海でとれた魚を手のかかる加工は国
外でということも多いようです、

以上の事を考えてみると、有機肥料の使用や
大量施用する堆肥の施用については頭の痛い問題となります。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
石川県小松市矢田町
ひがし農場  東 浩一
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2/20 岡山の林さんから「Re:大型農機補助」
皆さん今晩は、
赤木さん、中道さん、中務さんのメールを読んで補助金について考えてみました。
先進国では農業補助金というのはどの国でもあると思います。農業補助金のない国を探すのも難しい。TPPでは日本の
米の高関税がやり玉に上がるのは目に見えているのですが(これはあまりにも標的になりやすい)、EUならば直接支払い
や輸出補助金、アメリカならば輸出補助金等、土地保全回復にも補助金が支給されています。日本の農家が補助金漬けと
されていますが、アメリカの補助金はこんなものではない巨額なものです。受給者は上位1割が3/4を受取っているそう
です。つまり、大規模農家が殆どの補助金を受給している。言い方を変えれば、大規模になるほど補助金漬けになり
やすい、と言えそうです。穀物メジャーは上場されていないので何をやっているのかわかり難いですが。自前の衛星を
打ち上げて、地球のどこが作物不作になりそうかを見ているのでしょうか?
アメリカの失業率は農業分野を除いて発表されることが多いのですが、これは季節性があるからですね。アメリカの百姓は
季節労働者を雇って生産しているからでしょう。もし農家がつぶれたら、失業率にも影響する。
アメリカの小麦の自給率は130%ぐらいだと思いますが、これがすべて国内流通に回ったら価格の大暴落を引き起こし、
大規模農家は一気につぶれてしまう。農産物価格の低下は大規模農家ほど強く影響を受ける。アメリカとしては輸出以外
に方法がないのではないでしょうか?輸出補助金で発展途上国の農産物価格より安くして世界中に売る、ということのよう
です。アメリカの百姓達がバイオエタノールの工場を建てて、穀物の販売先を多様化させたのも理解できる事ですね。

林 正弘
岡山市

2/18 岡山の中務さんから「中道さんの独り言について」
中道さんの独り言「経済産業省農林部」に、ある意味で同感です。

私は「二次・三次産業の活性化が農村を守る。」と考えています。
「農業を」じゃなくて、「農村を」です。

政策が組織によって形成されるならば、農林漁業を産業として所管する「経済産業省 製造産業局 農林漁業課(架空)」。農地を国土保全の観点から所管する「国土交通省 水管理・国土保全局 農地課(架空)」。地域づくりなどを所管する「国土交通省 国土政策局 地方振興課(実在)」などの活躍に期待したいと思います。(農林水産業課を経産省の製造産業局に置いてみたのには異論があるところかも知れません。)

我が集落は、5町歩ほどの水田を抱える中山間の農村集落です。

かつて、集落の大半は農家であり、我が家は自給的農家と副業的農家の境界層でしたが、周囲に先生が大勢居て、共同作業も多く、楽しい時代でした。

時は遷り(と言っても十数年。)、今では副業的農家2軒と自給的農家1軒が集落内の全農家で、集落外農家の侵食を受けています。(私も少し浸食しているので、おあいこなのですが。)

都市部に暮らす人々からは、「それがどうした?」という声もあるでしょうが、例えば、私が利用している農業用水は3系統あり、うち2系統は利水者が2軒ずつ。うち1系統は私と集落外からの浸食農家だけになってしまって、各自が農閑期に少しずつ草を刈り、溝を浚って管理しているため、かつてのような共同作業の賑わいはありません。

農村集落は、農地や水源・水路の利用を通じてコミュニティを構築してきた集団ですから、農家の大規模化が進んで、いくつかの集落に1経営体しか存在しないような状況になると、集落としての存在意義を失ってしまいます。

農家の居ない農村集落など、市街化調整区域の虫喰開発団地と一緒で、ただの「農地に囲まれた住宅群」でしかありません。

農業経営の大規模化は否定しませんが、農村集落が農村集落であるためには、集落内にある程度の数の農家が存続している必要があるのです。

水稲などの土地利用型農家は、一旦廃農すると恐らく二度と復活できませんし、新規就農で土地利用型農業を営むのも非常に難しいことです。

日本の原風景のひとつである農村集落を維持し存続させるためには、副業的農家の主業となる雇用が必要であり、「二次・三次産業の活性化が農村を守る。」ということになるのです。

ちなみに、現存の小規模農家が生き残れさえすれば、「生かさず殺さず」程度の有り様でも構わないとも考えています。

主業で生計を維持していれば、副業の農業は「生かさず殺さず」程度の収支でも結構続けられるものです。生活の懸かっていない稲作ってのは楽しいですからね。

生活の足しになれば、なお結構なのですが、そこは百姓の甲斐性で(笑)

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http://homepage2.nifty.com/wakesui/private/agriculture.html
中務 博文

2/17 神奈川の笹村さんから「稲の放射能の移行について」

あしがら農の会の笹村です。

放射能の移行に付いて、考えがまとまったので出させて頂きます。

 

稲への移行は土壌からではないと考えている。チェルノブイリのような、水とは縁の薄い農法と、全く別の移行の状態を考えるべきであった。それは、土壌が50ベクレル以下の足柄平野の土壌であっても、福島の何万ベクレルの土壌であっても玄米への移行は、大した違いは無いという結果につながった。昨年の測定結果が出てきている。流入する水からの影響の方が、大きいと思われる。この水の汚染レベルは、極めて低く、土壌への影響も出ないほどの低レベルの、多分0,1ベクレル以下の、検出限界以下のものであろうと思われる。水に溶け込むような(この状態については知識がない。)小さな粒子のセシュウムが、直接稲の水根に吸収されてしまう恐れが考えられる。イネには下根と上根がある。栽培の方法にもよるのであろうが、わたしの田んぼでは表土を広がって這ってゆく、上根は水根と呼んでも良いものではないか。水生植物のように、水に溶けている養分を集めて植物体に送る。

 

水の力でお米は出来る。栽培法が上根を広げる結果になっていた。つまり、水耕栽培に近いと考えられる。雑草を抑制するために、自然とそうした栽培法にたどり着いた。今回の放射能はそのことが裏目に出た。足柄平野では、検出限界以下が普通の状態であるにもかかわらず、意外に高い値を出してしまった。本当に申し訳ないことをした。お米にとって良かれと考えて来たことが、崩壊して行く。崩壊してゆく過程で、気付いたことを記録しておく。トロトロ層を作り、雑草を抑制する。この仕組みがだんだんに見えてきたので、調子に乗って極端化した。トロトロ層を作るために、田植え後にソバカスを散布をする。ほぼ1カ月間断なくソバカスを蒔いてきた。この事で田んぼの表土は発酵を始める。莫大な量の生き物がステージを追って展開する。

 

稲は実を付ける後半になるに従い、耕盤を緩めるぐらいにトロトロ層が深くなる。この水を大量に含む土壌に根を広げて行く。その表土は微生物が大量に存在し、ミネラルも豊富で有ると考えてきた。いわば流入する水とまじりあうような、水耕栽培のような状態を作り出している。水を吸収しながら、微量な栄養分を集めている上根。田んぼは常に8センチ以上を目標に水を深く、入れ続ける。干し田もしない訳ではないが、稲が倒れない範囲を目標に、7月中には雨を見ながら控えめである。下手をするとずるずると稲が倒れ込む。稲は草取りで歩くと、深いぬかるみ状態の中に、びりびりと根を切るような状態で、表土の中に根を広げている。

 

以上を前提にもう一度、放射能の移行を防ぐための稲作法を整理してみる。しかし、放射能については、不明な点が多々あるので、あくまで個人的意見である。1、水を浄化しながら注入する。入水口に、ゼオライトなどを入れて、そこを通過させた水を田んぼに入れる。2、稲の栽培法として、深い根を中心に栽培する。深い耕転をする。後から糠やソバカスを蒔かない。表土を富栄養化しない。3、入水口に溜池を作り、セシュウムを吸着しやすい水生植物を繁茂させる。多分、ホテイアオイは良いか。4、山の状態としては、昨年の3月15日前後に山の広大な面積に降り注いだ。これが土壌100ベクレルである。そしてそれは、山に降り積もった腐葉土への吸着。今年の落ち葉のセシュームは50ベクレル。いつ流れだす物がピークになり、いつ流されてしまうのか。今年は去年以上に要注意ではないか。土壌の腐植量、土壌のカリウム、カルシュームなどは、稲の場合はあまり考えても大きな影響は無いと想像している。

 

2/16 滋賀の中道さんから「Re大型農機補助」
 みなさま、山下さんへ、 たいへんご無沙汰で失礼しています。
さらに、赤木さんには年末のお忙しい時期のおじゃまにもかかわらず、親切丁寧なな対応を、とてもありがたく思っています。本当にありがとうございました。

さて、昨日の話題についてぼくも一言投稿させて頂きたいと思います。

昨年滋賀で 農林大臣室長との懇談会があり参加しました。
その際、農業補助金の使われ方について 意見しました。
「補助金を受ける際、自らが立てた事業計画に責任を取らせる!」です。
「補助金を受けた、農業組織農業者や農協などは、計画とうり事業が実行できなければ、我々国民の血税である補助金を返してくださいね」と云う意味です。

その意見に対しての 彼のお答えは、「素晴らしい意見です」と前置きをした上で「農業者の了解が頂ければ検討します」と返しました。
ぼくは唖然しました。 納税者に対する配慮が全く欠けているのです。

ぼくは 農業補助金が日本の農業をダメにしていると思っています。
しかし補助金が本当に必要とされるケースは確かにあります。

 補助金を頼りにしている人ほど、補助金の元である納税者の理解を得られる努力が必要だと思うのですが、そのような立場にいる人たちに限ってこの観点は抜けているようです。

ぼくの独り言   「経済産業省農林部」 で解決!

滋賀の中道

2/15 岡山の赤木さんから「大型農機補助」
赤木@菜の花です。
 しばらくROMに徹していましたが、堀野先生のコストの話しを聞いて、黙っていられなくなりました。
小規模農家は農機具の100%が自分持ちです。むろん我が家も当然です。
 
 我が家によくやって来る農家に、20ヘク以上やっている人がいます。
田植え機も、コンバインも、半額は補助金が出たから安く買えたと話しています。
その代わりと言っては何だが、何年かは使う義務があるとか。
あたりめ〜だ、大型機械となれば数百万から一千万円はする。その半額を出してもらっているんだ。
シャフトがちびてぶっちぎれるまで使っても文句はないはず。
それを自分への足かせみたいに口にするから腹が立つ。
補助金で買った農機具はみんなで使うのが原則。帳面上はみんなで使うから買って下さいだ。
しかし個人の倉庫に納まっているのが現状。お上も知らない振りをする。
知らないほうが面倒なことがなくていい。
この程度の規模の農家が、お上の言うことをきちんと聞いて良い子になっていれば、国から年間
数百万円の補助が出るはず。
稲や麦で儲けは出なくても、国が食わしてくれる。
わが国の農家の足腰が弱いのはこのためだ。
補助金に甘えて自助努力をしようとしない。コストを下げる努力もしない。
誰がとかどこでとかは控えます。
 
 よく行っていた農家の機械にも、○○補助事業なんてことが書いてあったのを思い出す。
用途の違ういくつかの機械に大書してあった。
経費の中で一番大きなウエートを占める減価償却費。ここを国に助けてもらえばそりゃぁ儲かるはずだが。。。
それでいて収益が上がらないなんて言っていたのでは、農家する資格なしだ。
それに引きかえ、機械は全額自分持ちで頑張っている大半の農家はたいしたもんだよ。
そんな農家こそ地域や村を守っているんだ。
 
 私の地域に稲作にやって来ている会社組織の大規模農家。
村に来る時といえば、耕す時、施肥の時、植える時、あぜ道にラウンドアップ散布の時、
殺虫剤・殺菌剤の散布の時、最後に刈り取りに来る。たったこれだけだ。
米を収穫しない飼料稲の場合、田に残すのは根っこと株だけ。微生物の栄養となる糖がないから
土は固く微生物相も貧相になるだろう。やがて化学肥料では稲も育たなくなるかも知れない。
収奪一筋の稲作だ。
作業に来るのは従業員。村や地域への挨拶も付き合いもない。地主とは契約の時だけつながっている。
これで美しい農村が次世代に残せるのかねぇ・・・野田さんよ!
 
 別に大規模農家が悪いと言ってんじゃないよ。
小さな虫を踏み潰してでも大きな虫を生かそうとするお上の方針にからんでいるだけさ!
小さな虫の立場としてね。
 
 自然を愛し環境を考える百姓    赤木歳通
 
2/4 「久々に軽く吠えてみました 浜田/和歌山」
(吠えるのもだんだんおっくうになるねえ 年とると…)
国のアンケートに答えなかったわけ 2題
日記からどうぞ↓
★★★★★★★★★★★★★★★★
浜田/和歌山
HP  http://www.zb.ztv.ne.jp/kamu/
日記  http://kamumi.blog24.fc2.com/
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2/3 やまちゃんから「黒マルチによる太陽熱処理」
林さんと少しばかり認識が違うので書かせてください。
香西さんが考案された方法は、4〜5メートル幅の大きなトンネルの中で、
播種ベッドの上に黒マルチを被覆(ただ置いておくだけ)、
それで雑草を発芽させて枯らしてしまおうと言うものですね。
ぼくのは、11月下旬頃に透明マルチで被覆して、雑草をはやせるだけ生やして、
けずっ太郎で表層をスライスして枯らそうと言うものです。
当初のプランでは、雑草が生えそろったところで、防草シートでカバーすることによって、
生えた雑草をモヤシ状態にしてしまおうと思っていました。
だけど、今年やってみて、作業開始時期の遅れもあったのですが、
冬季に防草シートで雑草をモヤシ状態まで持っていくのはむずかしいように思いました。
けずっ太郎+ガンジキ路線が、(もしうまく行けばの話ですが)現実的だなと思っています。
 
香西さんが考案された方法について、思い当たるのは、
ネギ類は、3月にセルトレイに種まきして、それを5月初め頃仮植するのですが、
その仮植床を、お彼岸頃から黒マルチで被覆しています。
すると、雑草がモヤシ状態になって消えています。
中には、消えずに弱々しく生き延びている奴もあります。
そこでガンジキとトンボの出番です。
ガンジキで引っ掻いて、トンボで整地して、ネギロケットで穴をあけてセル苗を植えていきます。
すると、7月半ば頃に本圃に定植するまで、あまり雑草が生えてきません。
けずっ太郎でちょちょっと削ったりする程度ですみます。
香西さんも、完璧には黒マルチで雑草はなくならないと言われていました。
「何分の一かになるだけで、労力がまったく違うんです」と。
 
黒マルチも幾分か光を通すので、雑草は下半身(根)が無いと言うことはないと思います。
徒長して、モヤシになって消えていくのだと思っています。
でもそのためには、4月の陽気くらいの温度が必要だと思います。
3〜4年前に12月から黒マルチをして、ニンジンの雑草を減らそうと2年続けて実験してみたのですが、
「少しはましになったのかなあ、しなければもっと雑草が出ていたのかなあ?」
という、半信半疑の結果でした。
黒マルチだけで太陽熱処理するには、温度が足りなかったのだと思っています。
そこで、発想を変えて、透明マルチで生やせるだけ生やして、それを叩こうという方法を試みたのでした。
 
ただ、今回ぼくがやった方法で、盲点があるとすれば、雑草の休眠習性の問題だろうと思っています。
イネ科の雑草は、12月から1月にかけて透明マルチをしても生えて来ませんでした。
きっと、春の日差しというか、日長時間が長くならないと生えてこないのでしょう。
(12月の透明マルチでは、温度が足りなくて生えてこなかったのかもしれませんが、、、)
いずれにしても、夏期の透明マルチのように完璧な効果は望めないと思っています。
香西さんがいわれるように、
「雑草が何分か一になれば、労力はその数倍楽になる」
と、思っています。
 
 2/3 岡山の林さんから「ニンジンの冬季太陽熱処理」
皆さん今晩は、
今日は−8℃と、こちらではこの冬一番の最低気温となりました。暖房を使わないので室温は10℃まで下がっていました。
冷え込むときは天気が良く、昼間は太陽が出て、床下に蓄熱するためにダクトを通ってファンで送られる空気の温度は最高時57℃。ファンの風量が大きく、室内は寒い外気温には関係なく18℃に上がりました。ローテクを組み合わせるだけで、経費と二酸化炭素の削減になるのは驚きです。

冬季の太陽熱処理は、山下さんのメールや香西さんのやり方を見ていると、いずれもシートを使って太陽熱で地温を暖め、冬でも強制的に雑草の芽を出させる、と言うのがポイントだなぁと思いました。ただ違いは、透明シートを使うか、黒マルチを使用するかのどちらかのようです。山下さんの場合は雑草の発芽を促し、芽が出た雑草をけずっ太郎などで薄くスライスして除草する。これに対して香西さんのやり方は、黒マルチを使って雑草の芽を出させたものは根がなく自然消滅する、と言う事のようです。光が殆どない状態で発芽した雑草は上半身だけが徒長して、下半身(根)が無い、という事になるようです。
冬季の太陽熱処理は、太陽熱と冬の寒さの両方を利用するという点だなと思いました。種子は冬季の寒さや夏の暑さにも強く、いずれも発芽させないと雑草を枯らすことが困難。それも発芽直後の弱い時を狙うというのが夏・冬の太陽熱処理の要点ですね。これがノウハウとしてニンジンの除草に使えるし、また水田の除草にも通じる点で、私の田んぼでは今年も超初期除草をやりたいと思います。

林 正弘
岡山市

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